1. HOME
  2. ブログ
  3. 食品ロスという問題、まだ食べられるのに捨てられる原因は。

食品ロスという問題、まだ食べられるのに捨てられる原因は。

食品ロスという問題、まだ食べられるのに捨てられる原因は。

特売で食品を多く買ったけど賞味期限切れに、「もったいない」と思いながら仕方なく捨ててしまった。そんな小さな積み重ねが大変な量になってしまうことも。この記事を読むことで、あなたは食品ロスにまつわる知識と、エコでお財布にやさしい暮らしが手に入ります。

目次

「食品ロス」どれくらいの食品が捨てられているのか

「欠品ペナルティ」や「3分の1ルール」とは

賞味期限の決め方

みんなそれぞれ良いことをしているだけなのに

世界とあなたの財布にやさしい暮らしを

 

この記事は持続可能な伝統納豆で地方から社会問題を解決するソーシャルベンチャー企業、株式会社キツ商会がお届けします。

 

「食品ロス」どれくらいの食品が捨てられているのか

食品ロスとは食べることが出来るのに廃棄されてしまう食品のことです。

農林水産省・環境省の調査によると、日本では食べられる食品が、年間約612万トンも捨てられているそうです。

食品ロス量(平成29年度推計値)の公表についてより

事業活動を伴って発生する事業系食品ロスが328万トン、各家庭から発生する家庭系食品ロス が284万トン。

世界を見れば食べ物に困り苦しむ人々がいる一方、日本ではまだ食べられる食品がたくさん捨てられているのです。

なぜこんなことが起こるのでしょう。

 

「欠品ペナルティ」や「3分の1ルール」とは

食品ロスの理由の一つが食品業界独特のルールです。

生産者はお客さんが買ってくれる作物を一生懸命作ります。

たとえば野菜なら大きさや形が均一で、虫食いの無いものが好んで買われます。その結果、大きさが不揃いで形がいびつな虫食い野菜などは捨てられてしまいます。

 

食品メーカーは売れる良い製品を作り、いつもお店で買ってもらえるよう頑張ります。

売り切れた時にお店から注文があればすぐに納品できないと「欠品ペナルティ」が発生します。

「欠品ペナルティ」とは食品メーカーがお店に罰金を支払うルールのことです。

お店にとっては在庫があれば売れるはずだった売り上げへの補償になります。

このため、食品メーカーは欠品が出ないように製品を多く作るのです。

この多く作った製品は売れなければ捨てることになります。

 

お店はお客さんになるべく新鮮な商品を提供しようとします。

たとえば賞味期間が6カ月の商品だと、卸業者(食品メーカーとお店の間に入ることで流通を安定させている)は賞味期間の「3分の1」つまり2カ月以内にお店に納品しなければなりません。

これが「3分の1ルール」です。

「3分の1」を少しでも過ぎると、まだ4か月近く美味しく食べられる食品であっても、お店は納品を拒むことが出来るのです。

これも売ることが出来なければ捨てることになります。

こうした業界ルールによって食品ロスはさらに増えてしまいます。

賞味期限の決め方

食品には消費期限や賞味期限が設定されています。

簡単に言うと消費期限は「安全に食べられる期限」、賞味期限は「美味しく食べられる期限」。

つまり賞味期限の場合「美味しく食べられる期限」ですから、消費期限と違って期限が過ぎるとすぐに食べられなくなることはありません。

この賞味期限は食品メーカーが保存試験を行い、自らの責任で安全係数(賞味期間に余裕を作る)を加味して決めています。

例えば試験をして製造後100日間は安全に食べられるとわかった場合、国が推奨している基準である安全係数0.8をかけると、賞味期限は製造後80日となるわけです。しかしメーカーは安全係数を0.7や0.6など、さらに短く賞味期限を設定しているのが普通です。

仮に安全係数を0.6に設定した場合、本来100日間は問題がない食品の賞味期限は60日に。さらに「3分の1ルール」が適応されると、製造して20日を過ぎた商品は店頭で販売することが難しくなります。

つまり極端に言えば100日間は美味しく食べられる食品が、製造後20日ほどで商品としての価値が無くなるのです。

みんなそれぞれ良いことをしているだけなのに

お客さんが好んで買ってくれる作物を一生懸命作っている生産者。

食品メーカーは「欠品ペナルティ」を受け入れ、安全を追求して短い賞味期限を決めている。

お店も新しい商品をお客さんに届けたいと考えて「3分の1ルール」を行っている。

消費者は食べる人を考えて、新鮮できれいなものを買っている。

 

考えてみると誰一人悪いことをしているわけではありません。

それぞれの行動は正しくとも、全体で見ると悪い結果をもたらしてしまう。

経済学で言う「合成の誤謬」(ごうせいのごびゅう)が生じているのです。

世界とあなたの財布にやさしい暮らし

正しい行動が全体としてどんな結果をもたらすか考えることで、食品ロスを減らすことが出来るかもしれません。

たとえば食べきれるだけの適切な量の購入を心がける。

少し見た目が悪くても美味しくいただける野菜を生産者から直接買う。

すぐに使うなら賞味期限に近い特売品を積極的に購入する。

賞味期限が過ぎたとしても安全係数を考えて賢く消費する。

 

みんなが賢い消費者になることで食品ロスは減らすことが出来ます。

買物はあなたの意思を社会に伝える大切な行動です。

あなたの消費が社会の仕組みを変える大きな力になります。

このお話はSDGs(持続可能な開発目標)でいうと

目標12 「つくる責任つかう責任」のターゲット12.3に関係しています

ターゲット12.3

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

 

ホーム

 

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事